木曜日, 10月 29, 2020
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税務調査で「自分に不利な情報」をうっかり話してしまうワケ | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン

税務調査は財産の多寡とは関係なく行われます。また、税務調査に踏み切った時点で、ほとんど指摘材料はつかんでいるため、まずは調査そのものを未然に防ぐようにするのが最善の策だといえます。本記事は、『[改訂二版]相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法』(幻冬舎MC)から抜粋・再編集したものです。

税務署は「いける!」と思ったほころびを突いてくる

国税庁の報告によれば、税務調査の対象となるのは、平成30事務年度(H30年7月〜R1年6月)中の税務調査件数で1万2463件。調査対象者が平成29年に申告した人と仮定すると、申告件数に占める割合は11・2%でした。これは、実に9人に1人の割合で税務調査を受けている計算になります。そして、税務調査が入った場合、申告漏れが発見される割合は極めて高く、約86%という調査結果が出ています。

 

あああ

調査の段階で、ほとんど指摘材料はつかんでいる

 

税務署は「これはいける!」と思った申告内容のほころびについて、ありとあらゆる手段を使って徹底的に調べた上で税務調査に入ります。税務調査に入った段階で、ほとんど指摘材料はつかんでいると考えていいでしょう。

 

税務調査をうまく切り抜けたいと思ったら、まずは調査そのものを未然に防ぐようにするのが最善の策なのです。そのためには、相続税の申告書に不明点のないよう、完璧に仕上げておくことが非常に重要になってきます。

 

[図表]相続税の申告と税務調査の動向

 

それができるのは、相続税の案件を多数手掛けた税理士だけです。税務調査の立ち会いも数多く経験しています。税務調査が入ることになったときに、相続税に詳しいプロがそばにいてくれたら、これほど心強いことはありません。

 

「うちでお願いしている税理士に頼むことにしよう」

 

なかには、そう考える人もいることでしょう。

 

しかし、「親の代から世話になっている税理士だから」「いつも確定申告を頼んでいるから」という理由だけで、相続税の申告を依頼するのはちょっと考えものです。

 

多くの人は「税理士は税務のプロなのだから、相続税についても税理士に任せておけば間違いない」と思っていますが、そうした認識自体を改めたほうがいいかもしれません。

 

なぜならば多くの税理士にとって相続税の申告は、ほとんど未知の分野といっても過言ではないからです。税理士の主な仕事は、帳簿付けと決算および確定申告です。相続税の申告は、極めてイレギュラーな業務なのです。

 

そもそも相続税の申告自体、数は非常に少ないものです。相続税が発生するのは、全相続のうちの8・5%にすぎません。その少ないパイが、税理士全部に都合良く行き渡るはずがありません。たまたま回ってきたとしても、年に2~3件あればいいところでしょう。

 

そうした税理士にとって、相続税の申告はイレギュラーで慣れない仕事です。慣れない仕事は無難にすませたいという気持ちが先に立ち、お客さまの立場に立って考えることができなくなってしまう可能性があります。

「税務調査のときは、頭が真っ白に…」

筆者のお客さまに、税務調査の連絡が入ったときの感想を聞くと、誰もが「心臓がバクバクした」「頭が真っ白になった」「不安で眠れなくなった」などという答えが返ってきます。

 

多くの人が「調査=取り調べ」というイメージを抱くからでしょうか。何も悪いことはしていないのに、あたかも自分が犯罪者で、これから厳しい取り調べを受けるのではないかという気持ちになるようです。

 

税務調査は連絡からおおむね2~3週間後くらいに行われます。日程については、受ける側の都合に合わせてもらうことができます。「○月○日にうかがいたいのですが」と税務署から希望の日時を指定されても、都合がつかなければその旨を伝え、違う日に変更してもらうぐらいの余裕を持ちたいものです。

 

ただ、先ほども申し上げたように、事前通知の電話があってから税務調査が行われる日までの間は、落ち着かない毎日を過ごすことになります。

 

「いったい、何を聞かれるのだろうか」

「どんな書類を見に来るのだろうか」

「うまく答えられなかったらどうしよう」

 

考えれば考えるほど不安は募る一方です。

 

経験したことのない人生初の局面に強制的に立たされているのですから、不安を感じるなというほうが無理というものです。

 

実際の税務調査では、それほど難しいことは聞かれません。その点では安心していただいて大丈夫です。

 

ただし、個々の質問はなんということのない確認事項にすぎませんが、調査官はその質問に答えるときの相続人の表情や態度、答え方などから、その後の質問を繰り出してきます。税務調査を初めて受ける相続人は、このときついうっかり自分にとって不利なことを口走ってしまいがちです。

 

ベテランの税理士であれば、その点を熟知している場合があります。

 

つまり、調査官が何を聞き、それにはどのような意図があるのか、といった的確なアドバイスを事前にできるのです。それだけでも初めての経験を前に不安でいっぱいになっている人にとっては、大変心強いものだと思います。

調査は「財産の多寡」とは関係なく行われる

「そうはいっても、うちみたいな財産の少ない家には調査は入らないのでは?」

 

そんな声もちらほら耳にしますが、それは認識違いと申し上げるよりほかありません。

 

先ほども申し上げましたが、財産が大きいほど調査件数が多いのは、不明点が多数見つかりやすいからです。仮に申告財産が高額でなかったとしても、調査官の目から見て「この預金の動きがおかしい」というようなことがあれば、確実に調査の対象になります。

 

調査に入る可能性が高い案件としては、

 

●家族名義の預金が多い場合

●取引銀行や取引証券会社が多数ある場合

●生前に大きな預金引き出しがある場合

●海外への送金や海外からの入金がある場合

●財産データがあるのに、取引関連資料や法定調書、支払調書で無申告になっている場合

●相続人の間で争いがあり、別々の申告書が複数提出されている場合

●第三者からの通報や投書があった場合

 

などが挙げられます。

 

これらに該当するものがあれば、調査官はまず「あやしい」と見るのです。

 

そして、被相続人と取引のあった銀行に行き、口座の記録を徹底的に調べます。そこで数十万単位の預金の動きがいくつも見つかり、しかも申告書の内容との整合性がないと判断すれば、税務調査に結び付く可能性がグンと高まります。

 

大切なのは、調査官から見て不審な現金や預金の動きについて、きちんと説明できるということです。

 

例えば亡くなった方がギャンブル好きだったり、旅行が趣味だったりすると説明しやすいものです。競馬やパチンコが大好きで、大金をつぎ込んだ揚げ句、大損ばかりしていたとか、旅行が大好きで年に何度も海外に行っていた、ということがあれば、調査官は「それでは大きなお金の動きがあっても無理はないか…」と察知します。

 

また、俗にいう愛人がいた人も、こと税務調査に関しては有利な場合もあります。マルサ(国税局査察部)用語では「特殊関係人」と呼ぶのですが、亡くなった人にそのような立場の人がいて、毎月お手当を渡していたとか、年に数回まとまった現金を渡していたというような事実があると、調査官は諦めざるを得ません。

 

ただし、税務調査をスムーズに終わらせるために、事実無根のことをでっち上げるというのはいけません。

 

相手はベテランの調査官ですから、ウソはすぐに見抜いてしまいます。

 

旅行好きの人なら、旅先での写真をまめに撮っているものです。「では、旅行の記念写真を見せてもらえますか」と突っ込まれないとも限りません。

 

でっち上げではなく、事実としてあったことを述べていただくことが必要です。

 

 

服部 誠

税理士法人レガート 代表社員/税理士

 

 

 

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