金曜日, 10月 23, 2020

「Oculus Quest 2」レビュー –

 Oculus Quest 2(以下、Quest 2)は、2019年5月に発売された「Oculus Quest」の後継機にあたるスタンドアローンVRヘッドセットだ。

 前世代機Oculus Quest(以下、Quest)は、本体ひとつで6DoF(degrees of freedom)を実現した「スタンドアローンであること」が何より特徴的なデバイスだったが、Quest 2の見どころはさらにスペック面が強化されている点だろう。

Oculus Quest 2

 スペックについては別稿に詳しいが、解像度は単眼1,832×1,920、リフレッシュレートは90Hzサポート、SoCはSnapdragon XR2など簡単に抜き出すだけでもQuestから大幅に進化している様子が見て取れる。

 今回、製品版のQuest 2に触れる機会を得たので、その手触りをレポートしていきたい。

スペック比較表(本体) Oculus Quest Oculus Quest 2
サイズ(幅×奥行き×高さ) 193×222×105mm 191.5×102×142.5mm(ストラップ折りたたみ時)
重さ 571g 503g
トラッキング 6DoFサポート 6DoFサポート
ストレージ 64GB or 128GB 64GB or 256GB
ディスプレイパネル OLED 高速スイッチLCD
解像度 1,440×1,660(単眼) 1,832×1,920(単眼)
リフレッシュレート 72Hz 90Hz
SoC Snapdragon 835 Snapdragon XR2 プラットフォーム
オーディオ スピーカー、マイク内蔵(3.5mmイヤホンジャック対応) スピーカー、マイク内蔵(3.5mmイヤホンジャック対応)
RAM 4GB 6GB
バッテリー寿命予測 2~3時間(ゲームプレイで約2時間、メディア視聴で3時間) 2~3時間(ゲームプレイで約2時間、メディア視聴で3時間)
充電 USB-C給電(約2時間でフル充電) USB-C給電(約2.5時間でフル充電)
IPD(瞳孔間距離) 調整可 調整可(3段階)
プレイ空間 静止・最小2×2mルームスケールサポート 静止・最小2×2mルームスケールサポート

スペック上昇の“正義”を感じる順当かつ正当なアップグレード

 Quest 2の第一印象は、「白で来たか」だ。Questが黒をベースとした落ち着いた印象だったので、対象的な白はやや意外な感じを受けた。

 内容としては本体に加えて、USB Type-Cケーブル、グラススペーサー、専用のOculus Touchコントローラーなどが同梱されており、特に大きな変化はない。さっと取り出して頭に装着すれば、すぐに起動する。

箱を開封したところ

その内容

 ヘッドバンドはかぶせるタイプ。頭頂部のマジックテープと、後頭部の長さ調整パーツでよりフィットさせられる。Questと比べてみると、よりシンプルで直線的な構造だ。また瞳孔間距離は3段階。レンズ部分を直接カチッカチッと動かすことで、調整できる。

 最初のセットアップでは、スマートフォン用のOculusアプリが必要となるが、以降はスリープ状態であれば装着すると即起動する。

 これはQuestとQuest 2両方に共通することだが、装着してすぐにVR空間に没入できるフットワークの良さがいい。起動場所を変えるとガーディアン領域の再設定が必要となるが、歩ける環境、座ったままの環境とプレイ場所を転々としても何も問題がない。ガーディアン領域の設定は30秒以内で済むし、「今VRをやりたい!」に対応してくれる機動力は大きなメリットとなっている。

初回起動時、前回とは違う場所で起動したときに登場するガーディアン領域の設定画面。キャストなどをするとカットされるが、実際の画面では周囲の部屋などがモノクロ画面で映されている

 そして装着してみると、単眼1,832×1,920のよりクッキリとした視界はかなり良好だ。Questの時点でも満足できる体験だったが、解像感アップはそれだけで正義だったりする。とにかくVRそのものの体験に関しては、順当かつ正当な進化と言えるのではないだろうか。

 なお起動する際のコツは、ある程度明るい場所にすること。Quest 2は外部カメラで空間を認識することで6DoFを実現するため、周囲が暗すぎると動作が不安定になる。暗いままでも使用は可能だが、通常よりも視界がグラっと揺らめくような挙動をするのであまりおすすめはしない。しかしながら、筆者の実体験では夜の暗い部屋でモニター1台が光っていて、その目の前であれば静止モード(座った姿勢)は上手く動いてくれた。ある程度うす暗くても、床などが判別できれば正常に動作するようだ。

チュートリアルゲーム「First Steps」より

 スペックとしては申し分ないまとまりなので、様々なVRゲームをプレイするならとてもおすすめしたいハードだが、気になるのはヘッドセットとしての“重さ”ではないだろうか。

 Quest 2本体の重さについては、スペックが前世代よりかなり向上しているにも関わらず、571gが503gとむしろ減量している。Oculus Riftが約470g、Oculus Rift Sは560gほどで、それを考えれば503gという重量は悪くない。他の主なPC用VRヘッドセットがだいたい500g台で落ち着いていることを考えると、相当がんばっている数字だ。

 筆者の場合、最初は首への負担を感じたものの、VRゲームをやり続けるうちにある程度の負荷には慣れてきた(首まわりの筋肉がついた?)のでさほど気にしなくなりつつある。が、もしかしたらこの503gは人によっては首への負荷が気になるかもしれない。ここをどう感じるかは人によって様々かと思う。Quest 2に関しては店頭での体験なども実施されるようなので、気になる方はそうした機会に実際に装着してみることをおすすめしたい。

コントローラーなしで、手のみでも操作できる

パズルアドベンチャー「The Room VR: A Dark Matter」

ベイダー卿が目の前に迫る「Vader Immortal: A Star Wars VR Series」

日本産、独占タイトルの充実でQuest 2ブームなるか?

 またQuest専用ストアの充実ぶりにも触れておきたい。考えてみれば当然だが、Questローンチから1年半が経過しようとしているため、タイトル数はかなり多くなっている。「Beat Sabor」や「Last Labyrinth」、「ソード・オブ・ガルガンチュア」といった人気タイトルをはじめとして、少し心もとなかったQuestローンチ時に比べると選択肢は数多く用意されている。ちなみに、Quest 2ではOculus Rift用のストアには接続できないが、Questで購入したタイトルはQuest 2にも持ち越せる。

「Beat Sabor」

「Last Labyrinth」

「ソード・オブ・ガルガンチュア」

 注目すべきタイトルはいろいろとあるが、今回推しておきたいのは日本マーケットを意識したタイトルが追加されている点だ。

 具体的には、上記以外にも「Rez Infinite」、「Tetris Effect」、「リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを」、「スペースチャンネル5 VR あらかた ダンシングショー」といったタイトルがストアに並んでおり、日本産のVRゲームが以前よりもかなり多くなっている。

 ストア内のUIは日本語化されており、各タイトルが日本語に対応しているかも表記してくれる。見る限り自動翻訳のようではあるものの、ストアに並ぶ各タイトルへのコメントも日本語で閲覧できるため、購入の際のサポートとして嬉しい配慮がなされている。

 中でも「リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを」は、Quest向けに先行発売が予定されている。いわゆるタイムエクスクルーシブであり、発売予定は10月13日なので実質Quest 2のローンチタイトルと言える。

 さらに言うなら、先日はバーチャルタレントのキズナアイさんによるVRリズムゲーム「Kizuna AI – Touch the Beat!」がQuest専用として発売されることが発表されたばかり。発売予定は10月13日と、これもQuest 2の発売日にバッチリ重ねている。今後は、日本産で、Quest独占というVRゲームがラインナップには増えていくかもしれない。

 つまりQuest 2は、機能としての充実が意識されているだけでなく、ラインナップの充実という点でもアップグレードされている。この双方が高まることで、スタンドアローン型の汎用性の高さがより魅力を増して迫ってくる。ゴリゴリのハイエンド機、という印象とはまた違う方向性ではあるものの、ゲームファンのみならず一般層にも通用するような手軽さがある。Quest 2がVR業界の転換点となるか、その動向に注目だ。

「リトルウィッチアカデミアVR ほうき星に願いを」より。アッコをはじめ、アニメ「リトルウィッチアカデミア」でおなじみの面々とコンビを組んでほうきレースをしていく。かわいらしい世界観とキャラクター、そしてほうきレースの浮遊感を楽しめるレースアクションとなっている

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